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同人・商業の線引、準備会の考え方

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娯楽性の強い物事においては、アマチュアとプロという2つの立場が有ります。前者はそれをあくまで趣味として嗜み、後者はそれを生業として極めています。しかし、一部のアマチュアはその実力がプロに匹敵し、生業として十分成立すると思われる事もあります。すると資金力のある人々は、これらハイアマチュアの人材を勧誘して大きな利益をあげようとすることがあります。俗にスカウトと呼ばれるものです。

このような場合に問題と成るのはプロとアマの線引のあり方でしょう。ボランティアによって支えられ、資金力に圧倒的に劣るアマチュアの世界は、金銭に物を言わせる人々に対しては無力です。放っておけば、全てに対価と責任を要求する残酷なプロの世界に侵食されます。そのためプロとアマチュアが同居する分野では、ある程度住み分けのルールが存在します。例えばプロ野球などは、プロとアマチュアの交流に関して非常に厳しい規定をおいていることは、よく知られています。

コミックの世界ではアマチュアを同人、プロを商業などと呼びますが、同人コミック即売会の最大手コミックマーケットでは、これらの住み分けに関してはどのような考え方をしているのでしょうか?その一端が伺える資料があります。

サークルを申し込むと、当落にかかわらずコミケットアピールという冊子が送付されます。前回C90で筆者は初当選したため、初めてその内容に細かく目を通しました。

 

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可能な限り表現の自由を尊重するコミックマーケットですが、そこには非常に厳しい一文が掲載されていました。
C90コミケットアピール7項より引用

4.5 サークルへのお願い
■同人誌に関するお願い
同人誌を取り巻く環境が変化した結果、同人活動と商業活動との区別は曖昧になりつつあります。しかし、同人誌を始めとする同人活動が、趣味であることを基本とした、個人・グループが発行・制作することによる自己表現であることに変わりはありません。コミケットの理念を理解し、過度に営利を追求する活動は謹んでください。以下の参加・活動については、コミケットの理念に反するため、認められません。
●法人がサークルとして参加すること
●法人が発行・制作した本・グッヅ等を頒布すること。
●制作資金を法人が負担した本・グッヅ等を頒布すること。
●商業媒体において、単なる紹介ではなく連動企画として取り上げられるような本・グッヅ等を頒布すること。
※発行・制作の過程において企業の協力を得ることはかまいませんが、同人活動の一環として行ってください。
※グッヅの制作に際しては著作権等の知的財産権(P12参照)にも十分注意してください。
※コミケットの企業ブースでは同人作品の販売を禁止しています。サークルの発行物を企業ブースで委託・販売した場合、そのサークルの活動を同人活動とは認めず、以降のサークル参加をお断りすることもあります。

(引用終わり。下線は筆者が追加)
自由を尊重するコミケット準備会が、ここまで具体的に禁止事項を挙げていたのは意外でした。難しい情勢でのなかでの準備界の考えが滲み出ている取れる気がします。人気サークルの方は上記のような”ミス”のために、以降の当選をふいにするようなことが無いように注意した方がいいかもしれませんね。